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ガンカモ類重要生息地ネットワーク支援・
鳥類学研究者グループ:JOGA 第2回自由集会

ガンカモ類の生息地利用研究と保全管理:
今後の方向性とネットワークの意義

牛山 克己 (東大・農・生物多様性)

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  1. 生息地利用研究の多様性
     生息地利用に関する研究は、多方面の分野にまたがり、アプローチや地域性においても、多様であるといえる.それらは非常に興味深く、緊急性もあり、今後大いに発展する必要がある.同時に、余りにも多様であるため、様々な研究を体系的に捉えることが困難であると感じるかも知れない.しかし、生息地研究を一般化できる理論的フレームワークは存在すると考え、以下に紹介する.

  2. 生息地利用研究の一般化
     生息地研究を一般化する理論的フレームワークとは、個体と個体群レベルの現象(分布や個体群動態)を結ぶメカニズムを明らかにすることにある.この理論的フレームワークによって生息地利用研究が一般化できるだけでなく、例えば、環境になんらかの変化がおこった場合、個体群にどのような影響をおよぼすか、という明確な予測が可能になると考えれる(個体がその変化にどのように反応し、その結果個体群レベルの現象がどうなるか、というメカニズムが分かっているから).また、同様の理由から、理論的フレームワークは生息地をこえて汎用できる普遍性を持つと考えられる.

    figure (3KB)

    図.生息地利用研究を一般化する理論的フレームワークの模式図.

  3. 課題、発展性、ネットワークの意義  生息地利用研究の課題としては、様々な研究が体系的に捉えられていなかったことがあげられる.その理由として、理論的フレームワークが不在であったこと、また、フライウェイレベルでの一貫した保全管理目標が不在であったことがあげられる.
     上記の課題を発展的に解消するには、現在まで行われてきた様々な研究を理論的フレームワークの中で一本化し、同時に、理論的フレームワークに関する研究も発展する必要がある.また、ネットワークの成立によって、フライウェイレベルでの一貫した保全管理目標を確立することが可能になった.さらに、ネットワークによって、多岐に渡る情報を効率的に収集し、それらを一本化する手助けが可能になると考える.

[JOGA第2回自由集会「日本のガン,カモ,ハクチョウ類の環境利用」2000年9月17日]

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このページは「東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワーク」公式ホームページ(http://www.jawgp.org/anet/)の一部です. 2000年9月11日掲載.