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東アジア地域ガンカモ類保全行動計画 トモエガモとその生息環境の保全を目指してご協力お願いします!2002年9月(2005年1月更新) アジア太平洋地域渡り性水鳥保全委員会・ガンカモ類ワーキンググループ・トモエガモプロジェクト日本チーム |
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「アジア・太平洋地域渡り性水鳥保全戦略」・「東アジア地域ガンカモ類保全行動計画」のもとに東アジア地域を渡るガンカモ類とその生息環境を保全するためにさまざまな取組みが進められています.そのなかには,世界的に絶滅が危惧されるガンカモ類の保全を進めるための取組みがあります. そのような世界的絶滅危惧種のひとつにトモエガモがあります.この種は,世界でも東アジア地域にのみ生息分布します.中央シベリアから極東部のロシアの湿地で営巣繁殖し,中国・韓国・日本で越冬するという一年の生活環を持つ渡り鳥です.採食環境(湿性植生や水田など)と休息環境(塒として利用できる湖沼などの安全な水面)の減少,また狩猟圧の影響などによって,その生息範囲の全域で20世紀後半に急速にその数を減少しました.このためにトモエガモは世界的に絶滅が危惧される種のリスト(IUCN 2004)に挙げられています.日本では1970年代から急速に減少し,現在は2000羽程度しか越冬しません. |
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そこで,このトモエガモの個体群を回復させるための取組みが始まりました.去る8月13日に中国・北京にて関係各国の研究者や行政担当者が会合を開き,各国からメンバーを出し合って,英語で『Baikal Teal Task Force』とよぶプロジェクトチームをつくって取組んでゆくことになりました.日本からも代表メンバー(田尻 浩伸 氏,財団法人 日本野鳥の会)を出すとともに,日本国内での取組みを進めてゆくための日本チームを結成しました(事務局:加賀市鴨池観察館内). |
プロジェクトチームの取組みの第一弾として,東アジア地域でトモエガモが渡来する地域のみなさんに,この種のことを知っていただくために,このステッカーが作成されました.ロシア語・中国語・韓国語・日本語の4つの言語で作成されました.日本のみなさまにも.トモエガモとその生息環境の保全の必要性を日本国内で啓発するために,このステッカーをご活用いただきたく存じます.世界的絶滅危惧種に指定されているトモエガモとその生息環境の保護保全とその回復に向けた取組みの必要性など,ステッカーをきっかけにひとりでも多くの市民のみなさまへの働きかけ・普及啓発をお願いいたします.また,各地でのイベントなど普及啓発活動あるいは環境教育活動にご活用いただける機会がありましたら,提供できますので,どうぞ日本チーム事務局にお問い合わせください.
また,このページにリンクした,300 dpi の原寸サイズのステッカーの画像ファイルをダウンロードして印刷し,そのような目的で使っていただくこともできるでしょう.
この文書の印刷用PDFファイル(700KB): anafo601.pdf |
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みなさまからの多くのご支援・活動へのご参加を期待いたします.
【問い合わせ先】
トモエガモプロジェクト日本チーム事務局
922-0564 加賀市 片野町子2−1 加賀市鴨池観察館
TEL 0761-72-2200 / FAX 0761-72-2935 /
E-mail: kamoikeⓐbe.wakwak.com
トモエガモプロジェクトホームページ
http://www.jawgp.org/anet/anafo.htm
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○「アジア・太平洋地域渡り性水鳥保全戦略」と オーストラリア環境省および日本国環境省の中心的な支援のもとに国際湿地保全連合がコーディネートしている国際的取組みです.1996年にその活動が開始されました.国際的に重要な生息地のネットワークづくりや世界的な絶滅危惧種の保護保全のための取組みなどの活動が進められています.その活動は,ラムサール条約やボン条約などによって,地域の各国にその参加を促しており(ラムサール勧告6.4,7.3など),「戦略」を推進するための渡り性水鳥保全委員会には,両条約やバードライフ・インターナショナルなどの国際的NGOも参画しています. トモエガモの保全の取組みは2001年から2005年までの「戦略」の中の「ガンカモ類保全行動計画」の行動5に盛り込まれています. より詳しい情報は関係のウェブサイトをご覧ください.
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○トモエガモ 学名 Anas formosa, 英名 Baikal Teal カモ科 Anatidae マガモ属 Anas に分類され,体長 39-43cm,開翼長 65-75cm の小型のカモ類の一種.夏季は,中央シベリアからカムチャツカ半島までのロシア東部のタイガやツンドラの湿地において,水面近くの湿性植生のなかの地上に営巣し繁殖します.冬期は中国揚子江流域から韓半島・日本までの東アジアの暖温帯の河川・湖沼流域の湿地環境で越冬する渡り鳥です.おもに植物食で,イネ科草本・スゲ類・水生植物・イネ等の種子や茎葉が主要な食物.越冬期の群集性が極めて強く,ひと群れが10万羽単位に上ることがあります(ビデオ映像をご参照下さい).20世紀後半にその数が急速に減少し,それは生息環境の劣化や減少・狩猟圧などの原因によるものと考えられています.このため,日本では10万羽単位に上るような群れは現在見ることができず,韓半島に見られます.中国では1万羽程度,日本では2000羽程度(1999年から2004年の1月の平均)が越冬し,韓半島では1990年代より回復傾向にあり2004年1月には65万羽が計数されました.2004年のIUCNレッドリストでは,絶滅危惧Ⅱ類(Vulnerable / VU)に挙げられています. |
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世界的絶滅危惧種トモエガモの保全活動は,「アジア・太平洋地域渡り性水鳥保全戦略」の一部である「東アジア地域ガンカモ類保全行動計画: 2001-2005」の優先行動のひとつ(行動5)に位置づけられています.「行動計画」の実施を監督し推進する「アジア太平洋地域渡り性水鳥保全委員会・ガンカモ類ワーキンググループ」は,「Baikal Teal Task Force」と英語で呼ばれるプロジェクトチームを設立し,この東アジア地域でのトモエガモの保全活動を推進します. このプロジェクトチームに参加する日本からのメンバーを中心に,日本国内での活動を推進するために日本チームが結成され,この日本語ホームページも編集しています.日本国内での活動等についてのご質問・お問い合わせは日本チーム事務局までどうぞ:連絡先のページへ. |
2002年9月19日掲載, 2005年2月1日更新.