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JOGA9 |
東アジア・オーストラリア地域渡り性水鳥重要生息地ネットワーク(ガンカモ類)支援・鳥類学研究者グループ:JOGA アジア水鳥センサス(AWC)とモニタリングサイト1000について阪口 法明(環境省自然環境局生物多様性センター) |
Asian Waterbird Census (AWC) はアジア・オーストラリア地域をカバーするセンサスとして1987年に開始され、現在、30ヵ国/地域が参加している。AWCは渡り性水鳥の分布と個体群及び生息地である湿地の状態をモニターするプログラムで、センサス結果はこれまでラムサール条約登録湿地の登録、IUCNの Red Data Book、BirdLife International の Important Bird Areas (IBA) 等に提供されてきた。
☞ | 環境省「モニタリングサイト1000」 |
モニタリングサイト1000(以下、モニ1000という。)はわが国の代表的生態系の状態を把握し、継続的にモニタリングすることで、種の減少、生態系の劣化など、自然環境の異変をいち早く捉え、適切な生物多様性保全施策に貢献することを目的として、環境省が2003年度に開始し、森林、里地、陸水域、砂浜、干潟、サンゴ礁及び小島嶼に調査サイトを設置し、効率的に生態系の状態を把握できるよう指標生物群を選定し、調査を実施してきている。
モニ1000のガンカモ類モニタリング調査は2004年度から開始しており、全国に80カ所のサイトを設置し、越冬期の1月中旬と秋(9月−11月)と春(2月−3月)の渡り期の年3回調査を実施している。2006年の越冬期調査では、58サイトでハクチョウ類3種 27,808羽、ガン類4種 107,508羽、カモ類23種 223,009羽が確認された。モニ1000ガンカモ類調査は定点観察による継続調査であり個体数変動把握に適していることから、この調査結果を2005年−2007年AWC報告書作成のためにAWC事務局にデータ提供した。また、ガンカモ類以外では、シギチドリ類、ズグロカモメ、クロツラヘラサギ、ツクシガモの定点調査をモニ1000シギチドリ類調査で実施しており、この調査結果についてもAWC事務局に報告している。
☞ | AWC事務局HP(英語) |
地球規模で渡りをする水鳥類の個体群変動とその要因を把握するためには、わが国の個体数と生息地の状況だけでなく、アジア地域に網の目のように広がる渡り性水鳥類のフライウエイ全体を把握しなければならない。そのためにもAWCにおいてアジア地域のガンカモ類を含む水鳥類の個体群及び生息地に関する情報の共有化を図るとともに、より精度の高いデータ収集のために調査連携の促進が必要である。
[JOGA第9回集会「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップの発足と協力」2007年9月21日]
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URL: http://www.jawgp.org/anet/jg012b.htm
2007年9月9日掲載,9月16日更新(リンク追加),JOGA.