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東アジア・オーストラリア地域渡り性水鳥重要生息地ネットワーク(ガンカモ類)支援・鳥類学研究者グループ:JOGA
第17回集会「カモ科鳥類と水草の関係性を探る」
事例紹介1
神谷 要(公益財団法人 中海水鳥国際交流基金財団)
水草と水鳥の相互関係については、多くの研究事例があり、ヨーロッパにおいて、多くの研究論文が発表されている。
特に汽水性沈水植物のリュウノヒゲモについては多くの研究があり、水鳥から見た餌資源としてだけでなく、種子分散について鳥類の貢献に関する様々な報告がなされている。特に水鳥の糞に中にはリュウノヒゲモ(Potamogeton pectinatas L.)の種子が含まれており、その種子分散布に水鳥が大きく関与していると考えられている。
種子散布には、風散布、水散布、自発散布、重力散布、動物散布(付着)(周食)などがある。リュウノヒゲモの種子散布に関しては、動物散布(周食)についての研究が多くある。
鳥類で動物散布(周食) についての小鳥での研究では、種子を食べてから排泄までの時間が大変短いことが知られている。しかし、ガンカモ類の場合、体内滞留時間が8時間〜20時間程度という報告が多く、この時間があれば、近年の発信機調査では、カモ類は100㌔以上の移動を行うことが知られている。
また、リュウノヒゲモの種子は、食べられることによって発芽率の上昇が起こることがわかっている。
図1.米子水鳥公園におけるリュウノヒゲモの結実数と水鳥の糞中の種子数、水鳥の飛来数密度.エラーバーは、SD.
[JOGA第17回集会「カモ科鳥類と水草の関係性を探る」2014年8月22日]
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URL: http://www.jawgp.org/anet/jg020a.htm
2014年9月10日掲載,JOGA.