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JOGA
JOGA19
(2015)

東アジア・オーストラリア地域渡り性水鳥重要生息地ネットワーク(ガンカモ類)支援・鳥類学研究者グループ:JOGA
第19回集会「ガンカモ類研究者連携の意義と課題:JOGAの課題再整理」

話題提供4

JOGAの鳥学上の課題(2000年)の改訂に向けて

須川 恒(龍谷大学深草学舎)


[JOGA19]

話題提供1
「JOGAをはじめた理由とその後の展開」呉地 正行(日本雁を保護する会).
話題提供2
「1%基準値を巡るさまざまな課題」牛山 克己(宮島沼水鳥・湿地センター).
話題提供3
「ついに1000羽を越えたシジュウカラガン越冬個体数」呉地 正行(日本雁を保護する会)
話題提供4
JOGAの鳥学上の課題(2000年)の改訂に向けて」須川 恒(龍谷大学深草学舎)

 JOGA発足時(1999年、2000年に改訂)にJOGAとして行えばよいと考えるテーマの一覧を作成した。その後、集会で扱った課題(テーマ)もあるし、まだ扱っていない課題もある。また、追加した課題もある。そういった内容を整理して、JOGAサイトにある課題一覧を改訂して来年以降の新体制に引き継ぎたいと思っている。
 表1に2000年改訂版で設定した8つの課題と、その後追加した6つの課題を示し、19回のJOGAの集会(後援をしたJOGA18を含む)で、主要に扱ったものに◎を、副次的に扱ったものに○をつけて示した。
 2000年時点では8つの課題を提案し、その後5つの課題を追加した。課題としては計13個あげている。全体および右側の集計をみると、結果的に結構バランスよくやったと思う。
 2006年に希少雁類をした時には、こんな話をはじめて聞いて驚いたという若い会員が結構いた。1990年代前半には鳥学会の自由集会などで報告を多くやっていたが、十年一昔で忘れられてしまう。同じようなテーマでも、新たな切り口を追加して企画することは今後とも重要と思う。
 2011年の東日本大震災を受けての『災害と湿地保全』は重い課題だった。参加者のコメントも多く、鳥学通信への報告には反響があった。
新しい課題のうち、水田は呉地さんを中心に別チャンネル(ラムサールネットワークなど)で展開している。またモニタリング1000も各地におけるガンカモ集会といった形での継続がある。このような課題については、参照できるウェブサイトがあれば、JOGAのサイトと相互リンクしておくことが必要であろう。
印象に残った講演も多い。岡奈理子さんのカモ類の形態の地域差、中村雅彦さんのカモ類の行動、嶋田さんの企画の羽田健三再評価などである。まだまだ鳥学的に扱うべき興味深い課題があると思われる。
設定してやれなかったのは、繁殖地域における生態(保護)である。カムチャツカにおいて多くの保護区が廃止されるなど深刻な状況とのことだが、ほとんど実情を把握できていない。1990年代前半にはカムチャツカなど繁殖域への調査も多く、報告会を鳥学会大会時に開催していたが、そのような動きは現在はほとんどない。
よいテーマに対して複数の切り口からの講演を行い、各地の追加的な報告も受け、質疑や参加者のコメントをまとめ、鳥学通信などで報告をするといった地道な努力を続けることが、今後も多方面に影響を与えるJOGAの活動になると思う。

図1
表1.ガンカモ類における課題テーマ(2000年設定および追加)の集会における扱い

[JOGA第19回集会「ガンカモ類研究者連携の意義と課題:JOGAの課題再整理」2015年9月19日]

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URL: http://www.jawgp.org/anet/jg021d.htm
2015年9月15日掲載,JOGA