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東アジア・オーストラリア地域渡り性水鳥重要生息地ネットワーク(ガンカモ類)支援・
鳥類学研究者グループ:JOGA 第19回集会
企画者 〇(企画代表)須川恒・牛山克己・呉地正行
2015年9月19日(18:30-20:30),兵庫県立大学
日本鳥学会2015年度大会 自由集会W09会場G
1999年より「東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワーク」の活動を支援する鳥学研究者のグループ(JOGA)を設立して毎年鳥学会大会の際に自由集会を開いてきた。年に2回JOGAの集会をしたこともあり、JOGAのサイト(今回の集会の講演趣旨・要旨も掲載予定)で判るように、現在までさまざまなテーマで18回の集会を開催してきた。
今回は、なぜそもそもJOGAを1999年にはじめたのかを参加者で再確認し、ガンカモ類が利用する湿地保全に向けて、有効と思われる諸体制や国際プログラムを確認し、鳥学上の課題を再整理する。
「JOGAをはじめた理由とその後の展開」
呉地 正行(日本雁を保護する会)
1999年ラムサール条約COP(締約国会議)7(コスタリカ・サンホセ)から東アジアのガンカモ類フライウェイネットワークのプログラムがはじまった。その中味を支える鳥学者の集まりが必要だった理由を紹介する。その3年前の1996年COP 6(オーストライア・ブリスベン)で同様にシギ・チドリ類のネットワークが発足したが、鳥学者の十分なかかわりもなく、シギ・チドリ類の渡来湿地として重要な諫早干拓地の破壊を止めることができなかった。その反省を踏まえ、ガンカモ類のネットワークのサイトとなる水鳥センターや湿地センターからのさまざまな要望に鳥学者がすぐにかかわることができるように、さまざまな課題にかかわる鳥学者を普段から紹介しておくことが、JOGAを継続する目的の一つと考えた。 また1999年1月に宮城県松島町でアジアで初めての雁類専門家グループ年次大会(GSGM of Wetland Intertnational & IUCN SSC)が開催されたこともJOGA出発の大きな動機だった。また2014年11月にはアジアで3回目のGSGMが北京で開催された。こういった情報も踏まえてガンカモ類研究者の国際的な連携の意義について述べたい。
[講演要旨 ⎘]
「1%基準値を巡るさまざまな課題」
牛山 克己(宮島沼水鳥・湿地センター)
呉地さんの話題提供に引き続き、ガンカモ類や湿地保全のフライウェイ(EAFPなど)にかかわる最近の動きを紹介する。また国際的に重要な湿地保全にかかわるガンカモ類の研究として重要な、ガンカモ類の地域個体群の認識、その個体群規模の推定について。過去に行ったJOGAの結論も再確認して、ラムサール条約の国際的に重要な湿地を明らかにする1%基準値の更新の意義やどのように改訂作業が進んでいるのか、また今後必要な課題を紹介する。
[講演要旨 ⎘]
「ついに1000羽を越えたシジュウカラガン越冬個体数」
呉地 正行(日本雁を保護する会)
前話題で提供される1%基準値のホットな例として、回復計画が(極めて)順調に進んでいるシジュウカラガンについて、シジュウカラガンの1%基準値などとの関係で紹介する。2014-15年冬には越冬個体数がついに1000羽を越えた。過去のJOGAでも経過の紹介をしたが、その時点での経年変化のグラフを併せご覧になると驚かれると思う。
[講演要旨 ⎘]
「JOGAの鳥学上の課題(2000年)の改訂に向けて」
須川 恒(龍谷大学深草学舎)
JOGA発足時(1999年および2000年改訂)にJOGAとして行えばよいと考えるテーマの一覧を作成した。その後、集会として扱ったテーマもあるし、まだ扱っていないテーマもある。また、こういったテーマについて扱うべきだと見えてきた課題もある。そういった内容を整理して、JOGAサイトにある課題一覧を改訂して来年以降の新体制に引き継ぎたいと思っている。
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URL: http://www.jawgp.org/anet/jg020.htm
2015年9月13日掲載
JOGA.