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ガンカモ類重要生息地ネットワーク支援・ 「極東におけるガン類・ハクチョウ類個体群フライウェイ解明のための課題」2003年9月22日 [ Back ] |
JOGAでは、これまでに「ガンカモ類の個体数」「資源利用」、「越冬地における換羽と社会行動」、「水田農業とガンカモ類」、といったテーマで過去四回の自由集会を行ってきた。
今回は、近年行われるようになった繁殖地おける調査やテレメトリーやマーキングによる調査から、1980年代以降のフライウェイにかかわる数多くの蓄積をレビューし、日本に渡来する主要ガン類(マガン、ヒシクイ)・ハクチョウ類個体群の繁殖地調査やフライウェイ解明における鳥学的課題を明らかにしたい。
テーマ「極東におけるガン類・ハクチョウ類個体群フライウェイ解明のための課題」
企画世話人 神谷 要、須川 恒、宮林 泰彦、嶋田 哲郎
(ガンカモ類重要生息地ネットワーク支援・鳥類学研究者グループ(JOGA))
日時 2003年9月22日 13:30-15:30
弘前大学・教育学部 106号室(文京キャンパス)
(青森県 弘前市 文京町)
(19-22日に開かれる日本鳥学会2003年度大会の中の自由集会M9として開催)
基調報告『ガンカモ類の東アジアにおける個体群分布』宮林 泰彦(雁を保護する会)→ 要旨
極北部でのロシアの研究者と本会との共同調査や北米・東アジア各国の共同調査等の知見や情報から,東アジア地域(アラスカを含む)を渡るガンカモ類各種の個体群の生息分布・渡りの範囲について類型化して総論する.特に日本に渡来する群れに注目し,東アジアの他の地域に越冬する群れとの渡りの経路の違いや繁殖分布範囲の違いについて紹介する.
事例報告1「ハクチョウ類の繁殖地と越冬地の結びつき」藤巻 裕蔵(日本白鳥の会)→ 要旨
冬,日本に定期的に渡来するハクチョウ類はオオハクチョウとコハクチョウの2種である.これらの繁殖地はロシア極東北部であるとされている.この地域における両種の繁殖地と越冬地との結びつき,また渡りルートについては,脚環・首環標識による調査や衛星追跡のテレメーターを用いての調査で明らかにされているが,まだ一部の個体群についてである.ロシア極東北部の繁殖地と東アジアにおける越冬地の具体的な結びつきは,まだ十分に明らかにされていいない.
事例報告2「マガンの分布とフライウェイ〜現状把握とデータの活用〜」牛山 克己(美唄市)→ 要旨
現在、マガンの東アジア個体群の現状やフライウェイに関する情報の不足から、生息地間で保全管理目標を共有することができないでいる。本発表では、標識情報等から、マガンの生息地間の移動がどこまで解明されているかを整理する。また、生息地間の移動の理解が、個体群の生態や長期的な保全管理に果たす役割を紹介し、今後の研究課題を整理する。
事例報告3「ヒシクイ・オオヒシクイの標識調査の結果と今後の課題」池内 俊雄(雁を保護する会・雁の里親友の会)
ガンに関係するこれまで20年間の活動について取りまとめをしている。カムチャツカとのかかわりで「オオヒシクイの謎を追って」(私たちの自然2002年11月・12月号)と題してまとめた。これらの内容に亜種ヒシクイの情報や、標識数の情報を追加して報告する。
質疑・これからの課題や分析法など
この集会は,日本鳥学会2003年度大会の中の自由集会として催されます.どなたでも参加できますが,大会への参加費が必要です(一般4,000円,学生2,000円,大会当日申込).参加されるかたは自由集会だけでなく,4日間の大会全体に参加され,意義深いものにしてください.プログラムや会場など大会の案内は,日本鳥学会のHPに順次掲載されますのでご参照ください. 参考:この自由集会のほか大会ではつぎのようなガンカモ類関係の発表が予定されています(敬称略):
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JOGAページのもくじ
JOGAの鳥学的課題(第2稿)
第1回集会(1999)「日本のガン・カモ・ハクチョウ類の個体群の現状」
第2回集会(2000)「日本のガン,カモ,ハクチョウ類の環境利用」
第3回集会(2001)「越冬地におけるガンカモ類の羽衣と社会行動の観察」(その1)
第4回集会(2002)「水田農業とガンカモ類 〜「対立から共生へ」その鳥学的戦略〜」
第5回集会(2003)「極東におけるガン類・ハクチョウ類個体群フライウェイ解明のための課題」(このページ)
第6回集会(2004)「ガンカモ類重要生息地における保全状況の過去10年の進展と今後の課題」
第7回集会(2005)「ガンカモ類の個体数の継続的調査 モニタリングサイト1000 − 2004年度の報告と課題」
第8回集会(2006)「希少雁類復元・回復計画の経過と意義・今後の課題」
第9回集会(2007)「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(EAAFパートナーシップ)の発足と協力」
第10回集会(2008)「ガンカモ類外来種の現状と対策及び今後の課題」
第11回集会(2009)「急増するガン・ハクチョウ・カモ類の原因や影響を巡る鳥学的課題」
第12回集会(2010a)「ガンカモ類における個体群動態の把握と個体群管理に向けた課題」
第13回集会(2010b)「希少亜種シジュウカラガンと大型外来亜種カナダガンをめぐる最新報告」
第14回集会(2011)「東日本大震災の湿地への影響をガンカモ類などの調査を通してどう把握するか」
第15回集会(2012)「ガンカモ類のフライウェイ研究と地域個体群の認識・保護計画」
第16回集会(2013)「羽田健三業績レビューと今後の展望 — ガンカモ類の形態を中心に」
第17回集会(2014)「カモ科鳥類と水草の関係性を探る」
第18回(JOGA後援): IOC26: RTD06 (2014)「東アジアにおける水鳥類モニタリングデータの共有プロジェクト」
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「東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワーク」は |
このページは「東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワーク」公式ホームページ(http://www.jawgp.org/anet/)の一部です. 「アジア・太平洋地域渡り性水鳥保全戦略」ガンカモ類フライウェイオフィサー 宮林 泰彦, 989-5502 宮城県 栗原郡 若柳町 字川南南町16 雁を保護する会 TEL&FAX 0228-32-2592 / E-mail: yym@mub.biglobe.ne.jp. 2003年9月8日掲載, 9月27日更新. |