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ガンカモ類重要生息地ネットワーク支援・ 「水田農業とガンカモ類 〜「対立から共生へ」その鳥学的戦略〜」2002年9月14日 [ Back ] |
1999年5月にコスタリカにおけるラムサール条約第7回締約国会議の場で発足した東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワークの国内活動を鳥学的に支援する目的の第4回目の集会である.日本国内の15ケ所のネットワーク参加サイトの活動を積極的にすすめるために,ガンカモ類の現状やその生態の魅力について,研究者が連携して体系的に明らかにする作業を行っている(参照:JOGA設立趣意書).
第1回(1999年)は「ガンカモ類の個体群」、第2回(2000年)は「ガンカモ類の採食生態」,第3回(2001年)は「越冬地におけるガンカモ類の羽衣と社会行動」(その1)を行った。今回は「水田農業とガンカモ類 〜「対立から共生へ」その鳥学的戦略〜」をテーマとする。
今回はガンカモ類の生息環境としての水田に注目する.ガンカモ類は水田を主要な採食環境として利用するが,それゆえに農業者からは害鳥視されることが少なくない.ここでは水田環境の変遷を農業生態学の視点でレビューした後に,ガンカモ類の生息環境の改善をめざす水田管理とガンカモ類の利用法についての事例紹介を行う.最後にこれらを踏まえ,水鳥の多様性が高い水田や湖沼を環境資源として活用し,水鳥と水田農業の共生をめざす地域作りへと発展させるための戦略を鳥学的視点から紹介する.
テーマ「水田農業とガンカモ類 〜「対立から共生へ」その鳥学的戦略〜」
企画世話人 呉地 正行・吉田 保志子・須川 恒・宮林 泰彦
(ガンカモ類重要生息地ネットワーク支援・鳥類学研究者グループ(JOGA))
日時 2002年9月14日 18:00-20:00
日本大学・歯学部 第10講堂
(東京都千代田区神田駿河台)
(14-16日に開かれる日本鳥学会2002年度大会の中の自由集会M4として開催)
企画趣旨の説明 呉地 正行
報告
基調報告1「ガンカモ類の生息環境としての水田とその変遷」吉田 保志子(中央農業総合研究センター・鳥獣害研究室)→ 要旨
日本の水田環境は、第二次世界大戦以降、農薬、機械化、圃場整備などで大きく変わってきた。これらの変化が水田の生物に大きな影響を与えていることは間違いないが、変化のどの部分がどのように問題なのか、わかっていないことは非常に多い。圃場整備だけをみても、区画の大形化、水路整備など、生物にとって意味の異なる様々な改変を含んでいる。ガンカモ類の重要な採餌場所となっている世界各地の水田と比較しながら、水田環境の変化とガンカモ類をはじめとする水鳥類への影響を考えてみたい。
事例報告1「ガン・ハクチョウ類の冬期湛水水田と乾田での利用法と行動の比較」岩渕 成紀(田尻高等学校)→ 要旨
事例報告2「テレメトリーを用いたカモ類の夜間の水田利用調査(石川県・片野鴨池)」山本 浩伸(鴨池観察館友の会)・大畑 孝二(日本野鳥の会サンク室)→ 要旨
基調報告2「ガンカモ類の生息環境である水田と湖沼を活かした地域振興(宮城県・蕪栗沼)」村上 悟(NPO法人 アサザ基金)→ 要旨
質疑・今後の課題の整理
この集会は,日本鳥学会2002年度大会の中の自由集会として催されます.どなたでも参加できますが,大会への参加費が必要です(一般4,000円,学生3,000円,大会当日申込).参加されるかたは自由集会だけでなく,3日間の大会全体に参加され,意義深いものにしてください.プログラムや会場など大会の案内は,日本鳥学会のHPに順次掲載されますのでご参照ください. |
JOGAページのもくじ
JOGAの鳥学的課題(第2稿)
第1回集会(1999)「日本のガン・カモ・ハクチョウ類の個体群の現状」
第2回集会(2000)「日本のガン,カモ,ハクチョウ類の環境利用」
第3回集会(2001)「越冬地におけるガンカモ類の羽衣と社会行動の観察」(その1)
第4回集会(2002)「水田農業とガンカモ類 〜「対立から共生へ」その鳥学的戦略〜」(このページ)
第5回集会(2003)「極東におけるガン類・ハクチョウ類個体群フライウェイ解明のための課題」
第6回集会(2004)「ガンカモ類重要生息地における保全状況の過去10年の進展と今後の課題」
第7回集会(2005)「ガンカモ類の個体数の継続的調査 モニタリングサイト1000 − 2004年度の報告と課題」
第8回集会(2006)「希少雁類復元・回復計画の経過と意義・今後の課題」
第9回集会(2007)「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(EAAFパートナーシップ)の発足と協力」
第10回集会(2008)「ガンカモ類外来種の現状と対策及び今後の課題」
第11回集会(2009)「急増するガン・ハクチョウ・カモ類の原因や影響を巡る鳥学的課題」
第12回集会(2010a)「ガンカモ類における個体群動態の把握と個体群管理に向けた課題」
第13回集会(2010b)「希少亜種シジュウカラガンと大型外来亜種カナダガンをめぐる最新報告」
第14回集会(2011)「東日本大震災の湿地への影響をガンカモ類などの調査を通してどう把握するか」
第15回集会(2012)「ガンカモ類のフライウェイ研究と地域個体群の認識・保護計画」
第16回集会(2013)「羽田健三業績レビューと今後の展望 — ガンカモ類の形態を中心に」
第17回集会(2014)「カモ科鳥類と水草の関係性を探る」
第18回(JOGA後援): IOC26: RTD06 (2014)「東アジアにおける水鳥類モニタリングデータの共有プロジェクト」
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「東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワーク」は |
国際湿地保全連合日本委員会 ガンカモ類フライウェイオフィサー 宮林 泰彦, 989-5502 宮城県 栗原郡 若柳町 字川南南町16 雁を保護する会 TEL&FAX 0228-32-2592 / E-mail: yym@mub.biglobe.ne.jp. このページは「東アジア地域ガンカモ類保全行動計画」・「東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワーク」公式ホームページ(http://www.jawgp.org/anet/)の一部です.2002年7月4日掲載, 9月9日更新. |