ガン類渡来地目録第1版(1994) ガン類渡来地目録の作成とそれによって明らかになった渡来地保護の課題引用:宮林 泰彦・須川 恒・呉地 正行.1994.ガン類渡来地目録の作成とそれによって明らかになった渡来地保護の課題.ガン類渡来地目録第1版,雁を保護する会,若柳,p.5-27. |
図1. | 日本におけるマガンとヒシクイの越冬羽数と渡来地数の変化. |
図2. | 1970年以前のマガンとヒシクイの狩猟羽数と現在の分布. |
図3. | 日本における主要なガン類渡来地. |
表1. | 渡来地記載シートの項目. |
表2. | 日本におけるガン類渡来地の現状〔その1からその4まで4ページに別れています〕. |
表3. | 概括表のための追加項目. |
解説 | 北東アジアにおけるガン類の渡り. |
付録 | 渡来地記載シート[例:花山湖(原典226-227頁所載)]. |
5.謝辞・引用文献
[第1ページ] ガン類渡来地の名称: 渡来地の一般的な名称.陸水学における湖沼等の分類と異なっているものもある.名称の英語表記にあたっては,自然に形成された湖沼に対しては「Lake」を用い,人工的に作られた湖沼は,Cramp & Simmons (1977)に従って,面積が10ha以上を「Reservior」,10ha未満を「Pond」とした. 地名コード: 雁を保護する会で与えているコード.はじめのアルファベットは地方,真中の数字は都道府県をあらわし,最後のアルファベットを地域毎に与えている.複数の小地域をまとめている場合は,筆頭の小地域のコードを示した(例: 伊豆沼のコードはT4A,内沼のコードはT4Eなので,伊豆沼・内沼地域に対してT4Aのコードで示した). 所在地: 基本的には市町村までを示した.複数の市町村にまたがっている場合は併記した. 利用形態: 越冬地,または中継地(秋か春か,あるいは秋・春ともか). 環境区分: ガン類が生息する範囲の環境の割合をパーセントで示した.環境の区分は,湖沼,湿原,河川,干潟,海岸,海上,水田,牧草地,その他[なるべく内容を記述]に分けた. 出現種(亜種): その地域に生息する主要なガン類について,その出現期間[月単位,または旬単位],最大個体数(中継地の場合は,秋と春とをそれぞれ記載)を,執筆時からさかのぼって過去4−5年の範囲で記載した.例外については備考に注記した.種(亜種)の記述は,マガン,ヒシクイ serrirostris (種ヒシクイの亜種ヒシクイ),オオヒシクイ middendorfi (種ヒシクイの亜種オオヒシクイ),ヒシクイ2亜種,ヒシクイ亜種不明,コクガンとした. ガン出現期の気象条件: 気温(℃)[最高,最低,平均],積雪[有無,期間,最大量と最小量],結氷[有無,期間]. 渡来地の利用状況: 塒地か採食地か,夜間滞在か昼間滞在か,季節変化の有無などのガン類の生息状況を簡潔に記述した. ガン類保護に関する問題点とその現状: 保護区の設定状況や,保護上の問題点などを簡潔に記述した. [第2ページ] 調査用紙記入者名,記入年月. 本渡来地に関する連絡先本渡来地に関する連絡先: 各渡来地に関しての問合わせ先の氏名,住所,電話番号.なお,すべての地域について,雁を保護する会事務局でも対応する. 本渡来地に関する文献,資料名: 各渡来地に関して参考になる文献や解説パンフレット,要望書などを含む資料の主なものを列記した. 本渡来地に行く交通手段: 主な交通手段を記述した. 地図: 各渡来地を含む国土地理院地図の各縮尺の図名を示し,国土地理院の承認のもとにその地図を複製し,必要に応じてガン類の生息範囲等の情報を加筆した.掲載した地図には地域によってそれぞれ適当な範囲が収まるように原図を縮小したので,原図の縮小率を上段に示した. [第3ページ以降] 詳細説明等: 第1,第2ページで十分に記述できなかった項目についての追加や,詳細な解説等を,執筆者に自由に記載していただいた.写真や図も含めた. |
わが国においてガン類は,秋になると北国から全国各地に渡ってくる冬鳥の代表として多くの国民に親しまれ,また,詩歌や絵画の題材としても好んで取り上げられ,日本人の自然とのかかわりにとって重要な位置を占めてきた.
しかし,明治以降の過剰な狩猟や湿地の開発などに伴い,ガン類の個体数やその渡来地は激減し,特に第二次世界大戦後ガン類は絶滅の危機に瀕しているといっても過言でない状況に追い込まれた.このため,1971年にマガンとヒシクイが国の天然記念物に指定され,狩猟鳥からも外された(横田他 1982).その後,ガン類の渡来数は徐々に増加してきているものの,いったん狭まってしまった渡来地は再び広がらず,ガン類の渡来地は極めて限られたものになっている.
雁を保護する会は,少なくなってしまったガン類およびそれらの渡来地の保護を目的として1970年に結成され,ガン類の天然記念物指定をはじめとする各種の活動に取り組んできた.特に1984年からは,ロシア科学アカデミーや米国魚類・野生生物局等の研究者と協力して首環や足環を用いてガン類の移動経路を追跡する調査を進めてきた(宮林 1993a, 1993b).この調査によって,日本に渡来するガン類の繁殖地域(ロシア)が明らかになるとともに,日本国内の各渡来地間の移動状況や,ガン類の生活環に占める各渡来地の重要性が明らかになってきた.その概要は解説(p.26-27)に示した.
この調査を通して,標識されたガン類が出現する各渡来地の詳細を知りたいという人々が増加し,また各渡来地がさまざまな保護上の問題点を抱えているとの情報も数多く寄せられるようになった.そこで,雁を保護する会では,ガン類の保護や観察にかかわる各地の人々が容易に他の地域の情報を把握することができ,また行政などの諸機関が貴重なガン類の渡来地をあらかじめ把握することにより,渡来地に関する開発を抑制し渡来地の保護を有効に進めることができるように,日本のガン類渡来地目録を作成することにした.
基本的には,各地の研究者や観察者の協力により,渡来地の現状に関する項目についてアンケート調査を実施して情報を集めた.これらの調査は1989年に開始し,1991年11月に「ガン類渡来地の保護をいかに進めるか」というテーマで第8回ガンのシンポジウム(滋賀県湖北町)を開催した際に,その基礎資料としてガン類渡来地目録暫定版(呉地 1991b)を出版した(掲載渡来地数 22ヶ所).またこのシンポジウムで各地の渡来地の状況を一覧するための渡来地概括表作成のアイデアが提案された.
その後,追加調査を継続し,1992年10月にアジア湿地シンポジウム(大津),1992年11月に日本鳥学会大会(大阪),1993年6月に第5回ラムサール条約締約国会議(釧路)のそれぞれの場で,この目録および概括表作成についての中間発表を行ない,日本だけでなく世界各地のガン類渡来地の保護にかかわる人々と意見を交換してきた.
全国のガン類渡来地でガン類を観察している雁を保護する会会員や,協力関係にある研究者や観察者に表1に示すような項目に関する渡来地の記載シートを送り,渡来地の情報を得た.記載シートの項目は特別な調査を必要とするものではなく,その地の観察者にあっては,比較的容易に得られる情報に限定した.
これらの問合わせによって46地域の記載シートが得られた.1991年までに提出された記載シートについては,その後の変化も大きいと思われたために,記載者に追加修正してもらったものもある.地元観察者からの情報は得られなかったが,ガン類渡来地として無視できないその他の5地域については,雁を保護する会の手持ちの情報によって記載シートを作成した.その結果,この第1版の目録に掲載するのは合計51地域となった.
各地の渡来地の状況を一覧するために,表2に示すような渡来地概括表を作成した.この概括表は目録をデータベースとして活用する際のインデックスとなるものと考えられる.概括表の作成にあたっては,記載シートの項目に加え,表3のような項目を追加することによって,渡来地の現状の全体像が把握できるようにした.概括表は北から南まで緯度的に渡来地を配置し,秋に渡ってきたガン類が次々と利用する渡来地を季節的にかえてゆく状況が容易に読み取れるようにした.
なお,記載シートの記述からは,各地の状況について明瞭に読み取れない項目もあったために,作成途中の概括表と概括表を完成するためのアンケート用紙を各シートの執筆者に送り,その解答により概括表を完成した.
雁を保護する会の会員は,渡来地目録の各記載シートと概括表を中間的に作成し,さまざまな場面で使用してきたが,この経験だけでも,これらの目録と概括表は各地の渡来地の現状を伝え,保護を考えてゆく際に効果的なツールになることがわかってきた.
渡来地目録の各記載シートは,その渡来地に関しての基本的な情報のみが書かれているだけであるが,これまでは渡来地の保護に関して重要な問題が発生しても基本的な状況がわからないためにその問題を正確に理解できないことが多かった.しかし,渡来地目録ができてからは記載シートにより概況が把握できるために,詳細な資料を入手した際にそれぞれの問題がより正確に把握できるようになり,また関係する行政機関や報道機関に対してそのポイントを容易に示すことが可能になった.特に,日本の行政機関は,環境保全に関わる担当者が短期間に次々と変わることが多いために,このような基礎的な資料をまとめて継続的に示すことが重要である.
また,目録や概括表を作成することによって,日本のガン類渡来地の現状とその保護上の問題点もより明瞭に示せるようになった.これについては次節に述べる.
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わが国では,9種のガン類が記録されているが(日本鳥学会 1974),現在まとまった個体群として定期的に渡来し越冬しているのは,マガン Anser albifrons,ヒシクイ A. fabalis (亜種ヒシクイ A.f. serrirostris と亜種オオヒシクイ A.f. middendorfi の2亜種),コクガン Branta bernicla の3種である.
前世紀にはこのほかに,サカツラガン A. cygnoides,カリガネ A. erythropus,ハクガン A. caerulescens やシジュウカラガン B. canadensis leucopareia も多数渡来していたことが知られる(e.g. Blakiston & Pryer 1878).ハイイロガン A. anser については,かつての渡来状況はよくわかっておらず,ミカドガン A. canagicus は迷鳥として1度記録があるだけである(日本鳥学会 1974).
ガン類は1946年まですべてが狩猟鳥であったが,そのころまでには前世紀には数多く渡来していたことが知られるサカツラガン,ハクガンやシジュウカラガンは既にほとんど渡来しなくなってしまっていた(Austin 1949).
1947年からはマガンとヒシクイの2種が狩猟鳥に指定され,1970年度の猟期までこの状態が続き,この間に全国のガン類の渡来数は推定約6万羽から約5千羽にまで急速に減少してしまった(図1).また同時に,西南日本からガン類の姿も消滅していき(図2),70年代はじめにはその渡来地の分布は現在と同様な範囲(図2,図3)になっていたものと推定される.1971年にマガンとヒシクイが狩猟鳥から外されて以来,徐々にわが国に越冬するマガンとヒシクイはその個体数が回復している(Kurechi 1991a,図1).
1%基準: ラムサール条約における,その登録湿地として指定する基準のひとつとして,個体群の1%以上の水鳥が生息する湿地が上げられている(勧告3.1付属文書,c.f. Boyd and Pirot 1989,勧告4.2付属文書Ⅰ).そこで,わが国に越冬する主要な3種のガン類(マガン,ヒシクイ,コクガン)について,その渡来地を利用する個体群の大きさが,日本全国に越冬する個体数の1%を越えている地域について網掛けを施した. IWRBJコード: 国際水禽湿地調査局日本委員会(IWRB Japan Committee)が1989年に出版した「日本湿地目録」に記載されている湿地については,その記載に付されたコード番号があるのでこれを示した.「日本湿地目録」において複数の地域がひとつにまとめられているものについては,両地域に同じコード番号をふってある(e.g. 106: 湧洞沼・長節湖). 湿地タイプ: A Directory of Asian Wetlands (Scott 1989)で用いられていた湿地タイプで,「日本湿地目録」でも記載されていたものを参考のために引用した.湿地タイプのコードは次の内容をあらわす(和訳: 「日本湿地目録」);
ガン類の利用状況 各渡来地をガン類が利用する期間: 月単位で,ガン類が生息する期間を示し,網掛けで各月の個体群の大きさを示した.黒塗りはその地域における最大個体数の2/3以上の数が生息する月,網掛けは1/3以上2/3未満,網掛けの無い四角は1/3未満が生息する月をあらわし,空白は棲息しない月を示す.どの月にも網掛けが施されていない地域は,月ごとの個体群の大きさに関するデータが得られていない地域である.これらのデータは,渡来地の記載シートに示されているものはそれに従い,記載シートに示されていない地域で雁を保護する会がデータを持つものについてはこれを示した.この項目を入れることによってガン類の群れの日本国内における季節的な移動状況が一望できる. 個体群の大きさ: 種(亜種)ごとに各渡来地における個体群の最大の大きさとその増減の傾向を示した.表題の種(亜種)名の下に記された数字は,過去4-5年間の全国に越冬する個体数の概数を雁を保護する会のデータから示した.この全国の越冬個体数と各地域の最大個体数から上述の1%基準を算定した. 生息環境の利用状況生息環境の利用状況: 種(亜種)ごとに湖面や湖岸植生などの水域(W)と農耕地などの陸域(L)をどのように利用しているかを以下の記号を用いて表示した; F=採食利用,R=塒としての利用(昼夜を問わず),r=塒としては利用しないが短時間の休息の場としてのみ利用.各地域ですべての内容が充足されているわけではなく,地域によっては一部の利用を行ない別の地域にて他の利用をしている場合がある.また地域によっては未解明な部分もある. 保護区の設定状況: わが国においては,自然環境保全法,鳥獣保護及び狩猟に関する法律(以下「鳥獣保護法」と記す),自然公園法において各種の保護地域や公園が設定されている.また文化財保護法によって天然記念物に指定されている湖沼もある.ラムサール条約登録湿地の指定をうけているものと併せてこれらの情報をまとめた.なお,天然記念物にはこのほかに市町村が指定するものがあるが,残念ながらその情報は収集できていない.これらにあわせて,(財)日本野鳥の会が事業としているサンクチュアリなどの私的な保護区の情報,またネイチャーセンターなどの観察施設についての情報(設置されている,不十分・過剰である)も示した. 地域の関心: 記載シートに記述されていた情報と,追加アンケートから地域の人々や行政の関心について,高い/低い/不十分/否定的の4ランクで示した. 保護上の問題点: 記載シートに記述されていた情報と,追加アンケートから,まず保護上の問題点を次のように整理し; |
ガン類の渡来地として現在判明している主要な渡来地は表2および図3に示すように51地域(マガン・ヒシクイ41地域,コクガン13地域(重複3地域))ある.ガン類の渡来地は,北海道,東北地方,上越・北陸地方には比較的多いが,中国地方,近畿地方,関東地方では少なく,九州・四国地方には無い.
図3.日本における主要なガン類渡来地.
ガン類の渡来地となっている生息環境は,基本的には様々なタイプの湿地を中心として,周辺の農耕地や草地を含む場合が多い.湿地のタイプとしては,日本湿地目録(IWRB日本委員会 1989)に掲載された湿地の中では淡水湖または汽水湖とそれに付随した湿地が多い.一方,渡来地の環境成分の記入例から見ると,記入者により渡来地の範囲の捉え方に多少の違いはあるが,基本的には湖沼と水田が多くを占め,湿原や河川敷,海面・海岸等が目立っている.
表2には,渡来地ごとに,ガン類が利用する時期を月単位で示した.各渡来地は南北に配列されているので,秋口に北海道の中継地にガン類が渡来し,その後南下して本州の越冬地で冬を過ごし,春になるとふたたび北上してゆくガン類の動きを一望することができる.表2では伊豆沼・内沼以南を越冬地とし,八郎潟以北を渡りの際の中継地として扱ったが,近年の暖冬傾向を反映して,比較的南の八郎潟などの中継地はガン類が越冬するようになり,越冬地と中継地の境界線は北上する傾向にある.
表2には,主要ガン類の国内越冬数と,各渡来地の最大個体数(執筆時より遡って4−5年の範囲)を示した.マガン属の国内越冬数はマガン 30,000羽,ヒシクイ2亜種計で 9,000羽である.渡来地の最大個体数が特に多い渡来地は,中継地では宮島沼,ウトナイ湖,小友沼,八郎潟であり,越冬地では,伊豆沼・内沼や蕪栗沼を含む仙台平野北部の水田地帯であり,これらの渡来地では最大個体数が 10,000羽を越える.しかし,渡来地の多くは数百羽といったガン類しか渡来せず,ガン類の渡来数が,少数の渡来地に片寄っていることが,日本のガン類の渡来地の大きな問題の一つとなっている.
雁を保護する会では,IWRBのヒシクイ研究グループのメンバーとして,1982年より,各渡来地で毎月1度の一斉カウントを実施してきた.目録に記入された情報および,一斉カウントの資料に基づき,各地の渡来地個体群の増減傾向について表2に示した.
マガンに関しては全国での越冬個体数が順調に増加しており,伊豆沼などの太平洋側の越冬地でも佐渡や朝日池,中海,宍道湖などの日本海側でも増加の傾向にある.これに対してヒシクイ2亜種は漸増傾向にあり,その生息個体数が増加の傾向にある渡来地はマガンよりも少なくなっている.
また,マガンやヒシクイ2亜種の個体数は増加しているものの,それぞれの分布範囲が広がったわけではなく,逆に日本海側の分布の南限である琵琶湖では個体数の減少傾向が報告され,太平洋側の南限である霞ヶ浦の稲波干拓地周辺では50羽程度の極めて小さな群れが見られるだけであり,その個体数も増加していない.いま以上わが国のガン類の分布を狭めないように,また将来その分布を広げてゆくためにも,このような南限の個体群の保護,その生息環境の保全には細心の注意が払われなければならない.
コクガンについては,3,000〜5,000羽のコクガンが秋に風蓮湖と野付湾に滞在しているが,わかっている越冬地での個体数の合計は 1,000羽も満たず,その差の 2,000〜4,000羽のコクガンがどこへ渡って越冬しているのかが謎となっている.
コクガンの越冬地では 100羽以上の群れが渡来する3地域すべてで個体数の減少が報告されており,全国で 1,000羽未満という小さな越冬個体群を保護してゆくためには,まず現在の越冬地における個体数減少の原因を明らかにし,それを取り除く努力が必要である.
表2には,ガン類の生息環境を湖面や湖岸植生などの水域(記号W)と農耕地などの陸域(L)に分け,それぞれの環境を採食地(記号F)として利用しているのか塒(R)や休息地(r)として利用しているかを示した.
マガンは一般に湖面などを塒として利用し,水田や牧草地などの農耕地を採食環境として利用することが多く(横田 1978),表2でも同様の傾向が示された.
一方,ヒシクイ2亜種については,その形態の違いが生態の違いに反映した生態隔離が見られ,亜種ヒシクイ serrirostris はマガンと同じような生息環境の利用をするのに対して,亜種オオヒシクイ middendorfi は湖沼に生育するヒシの実やマコモの根茎などを採食するために,水域を採食地として利用すると考えられていた(呉地 1983).
しかし,今回各地の報告を集約してみると(表2),亜種オオヒシクイ middendorfi は水域を就塒地としてだけでなく採食地としても利用している地域も多いが,水田などの陸域を採食地として利用している地域もかなり多く見られた.このような傾向は,亜種オオヒシクイ middendorfi が近年その越冬生態を変化させていることを反映しているためか,あるいは亜種オオヒシクイ middendorfi が地域によって生態の違いを見せているためかも知れない.これらの点については今後注目してゆく必要がある.
コクガンは海に生息するガン類として知られているが,表2からもおもにほとんど海域をその生息環境としており,陸上にあがるのは休息するときに見られる程度であった.現在までに私たちが把握しているコクガンの生態や今回の目録の記載によると,コクガンは沿岸帯に生育するアマモ群落や平磯の海藻生育地(有馬 1989)などの自然植生を採食地として利用する地域と,ノリ筏などの人工施設に付着する海藻類を採食している地域(鈴木 1989)とが見られ,コクガンが多数見られるのは自然植生を採食地として利用している地域である.
表2に各渡来地の保護区等の設定状況,保護上の問題点についてまとめた.ガンの渡来地が抱えている主な問題点は以下のようになる.
表2の保護区の項に各渡来地の法的規制がどのようにかかっているかを示した.自然環境の保全に関して,わが国では自然環境保全法に基づく自然環境保全地域や,鳥獣保護法に基づく鳥獣保護区などが開発行為の規制を盛り込んでおり,これらに基づいて,ラムサール条約登録湿地が指定される.現在までに同条約登録湿地として指定されている全国の9地域のうち5地域 - 釧路湿原,ウトナイ湖,伊豆沼,片野の鴨池,および琵琶湖がガン類の生息地である.また,自然環境保全法に基づく自然環境保全地域は1地域,鳥獣保護法に基づく鳥獣保護区は51地域中の59%にあたる30地域に設定されている.国立公園や国定公園に含まれている渡来地は11地域である.
わが国ではガン類の中でマガン,ヒシクイ,コクガンの3種は,文化財保護法に基づき,種として国の天然記念物に指定され保護の対象となっているが,ガン類の渡来地自体を指定する形での保護はあまり進められていない.今回報告されたなかでは,国指定の天然記念物では,伊豆沼・内沼(「鳥類およびその生息地」として)が全国で唯一であり,県指定では片野の鴨池が指定されているだけであった.
現在のわが国においては,ガン類自身は狩猟鳥から外されているために直接狩猟されることはないが,生息地域が鳥獣保護区や銃猟禁止区域から外れていると狩猟者による妨害をうける.例えば,亜種ヒシクイ serrirostris がロシアから渡ってきて最初に羽を休める風蓮湖では,塒として利用する地域が鳥獣保護区から外れており,その保護区化が求められている.そのほか9つの地域でガン類の生息範囲の一部が鳥獣保護区からはずれていることが報告されている(表2の狩猟圧の項).
しかし,法的に保護区域が設定されるだけで充分なわけではない.例えば滋賀県の三島池は,鳥獣保護区の特別保護地区が設定され,あるいはマガモの南限の繁殖地として県の天然記念物に指定されるなど,極めて濃厚と思われる法的保護がなされていながら,ガン類の生息環境が損なわれ,ほとんどガン類が渡来しなくなっている.
湖沼,水域,あるいは湿地内部における土地利用上の問題点として,主に埋立計画,潅漑排水事業による湿地の乾燥化,艇庫建設とそれに伴う湖岸植生の破壊,湖岸道路の整備や高速道建設に伴う湿地の破壊,都市公園化などの問題点が数多く報告された.これらの土地利用に伴い,ガン類の生息環境が著しく狭められて渡来地の環境収容力を低下させる結果が予想され,ひいてはガン類がその湿地を放棄する危険性がある.
一方,伊豆沼や佐潟では,堤外地水田の県による公有地化や琵琶湖におけるヨシ群落保全条例などの保護の動きも進みはじめている.しかし,まだまだ一部の地域での動きにすぎない.
また,渡来地の周辺では,その集水域や周辺水田地帯における工業団地やゴルフ場などの開発,近接する都市の肥大,あるいは転作や休耕による水田などの採食環境や集水域の森林の減少など,ガン類自身の生息条件や湿地の保全を脅かす危険性が数多く報告されている.
家庭排水や酪農汚水などによる河川・湖沼の富栄養化,また潅漑排水事業だけでなく,いわゆる千歳川放水路によるウトナイ湖や弁天沼の水位低下の危険性も報告された.これらは,ガン類に直接的な影響を及ぼすわけではないが,その植生の退行や湿地の乾燥化により,湿地の生態系を破壊するとともに,その環境収容力を低下させガン類の生息をも脅かすものである.
ガン類の食物資源については,その資源量が現状では十分あるとのする地域が約3分の1,不十分とするものが約3分の1,残り3分の1は不明であった.各渡来地におけるガン類の生息状況やその環境利用についてまだまだ十分に解明されていない地域がまだ多くあることがわかる.
採食環境の減少も前述の水田の減少だけでなく,特に亜種オオヒシクイ middendorfi に利用される湖岸や河岸植生のマコモ群落の減少が報告されている.伊豆沼ではマコモを湖岸や水田に植栽する事業が始まっており(Shibasaki 1993),環境復元のモデルのひとつとなることが期待される.
また,ガン類による水稲や牧草,小麦,豆類などの農作物への被害も報告されている.すでに,伊豆沼周辺ではマガンやヒシクイが水稲に及ぼす影響(本地域の場合は秋の刈取後に乾燥中の稲穂が食害される)の調査が行なわれ,その防除法も提案されている(横田 1978).また,伊豆沼周辺の3町では1979年以降に食害補償条例(例.若柳町 昭和54年9月20日 条例第26号「伊豆沼自然環境保全地域内における鳥類による農作物被害に対する補償条例」)を施行している.しかし,全国的に見ると(表2)水稲以外の農作物に対する被害の方が多く報告され,また各地のガン類の食物資源の実態についての情報量もあまり多くはない.今後ガン類の個体数の回復がこのような問題の増加につながることも憂慮されるので,深刻な事態が起こる前に実態を把握し,対策を検討しておく必要がある.
既にラムサール条約登録指定湿地になっているウトナイ湖,伊豆沼,片野の鴨池,わが国に渡来するマガンのほとんどが春に集結すると考えられる宮島沼などにおいては地域の関心は高いが,地域の関心が低い渡来地の方が多かった.これら渡来地の重要性を地域社会に認知させ,その保護を進められるような環境づくりが大切であろう.
また,ガン類渡来地に設置された施設でガン類の魅力ある生活史を効果的に伝えている施設は,残念ながらまだ見られない.これは,これまで雁を保護する会が明らかにしてきたガン類の生活史に関する情報を社会的に活用してもらえるように広報する雁を保護する会の努力がまだまだ足りないことを示している.
1989-90年に北海道の宮島沼で鉛散弾によるマガンやハクチョウの大量斃死が起こり,わが国でも鉛中毒の害が大きくクローズアップされた.折しも1991年には国際水禽湿地調査局(IWRB)の鉛中毒に関する会議がオランダで開催され(Pain 1992),世界的にも鉛散弾の廃絶に向けて大きく動き出した.わが国でも関係諸機関において動きはあるもののまだ実現していない現状である(竹下 1993 参照).
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さまざまな開発が急ピッチで進んでいる日本では,ガン類渡来地のおかれている状況は刻々と変化する.一方,法的な規制など渡来地の保護に有効と期待される行政措置がとられることもあり,その効果を知る必要もある.このため,目録の内容は一定期間ごとに更新してゆく必要がある.雁を保護する会では,6年程度の間隔(ラムサール締約国会議が3年に1度開かれるので2回に1度程度は,渡来地の状況を集約したいと思っている)で目録の改訂をはかり,今後ともガン類渡来地がおかれている状況の追跡をしてゆく予定である.
今回設定した記載シートの項目によって,ほぼ渡来地の概況を知ることができた.しかし,採食や休息のためにどのような環境をどのように利用しているのかといった項目についてはあまりわかっていない地域も多く,またある程度のことはわかっていても季節的な変化も含めて詳細に現状が把握されている地域は少ない.このような点も明らかにして目録の記載を充実することが今後の課題である.
また,今回は原則的にガン類が現在定期的に渡来する地域に限って目録を作成したが,ガン類の渡来地を将来広げてゆくためには少数であってもガン類が渡来する地域についてその目録を作成することも重要である.さらに,現在は渡来地ではなくなっているものの,比較的最近まで多数のガン類の渡来地となっていた場所についての基本的な情報を集約する作業も重要である.特にこのような地域の状況を知っている人は高齢者であることも多く,この作業は早急に行なう必要がある.
ガン類はその地域のもっとも自然度の高い湿地を選んで越冬地や中継地として利用しているものと思われる.今回私たちが明らかにしたガン類の渡来地は,ガン類以外の水鳥等の湿地性の動物の多様性や貴重な水生植物の分布といった観点からも,その重要性が示されるに違いないと思われる.ガン類の渡来地となっている湿地の重要性を総合的に明らかにするためにも,湿地にかかわるさまざまな分野の研究者や観察者の協力を得たい.
渡来地目録や概括表(表2)に示したように,各渡来地の法的な保護の程度はかなりばらつきがある.ガン類はさまざまな季節に各々の渡来地を使いわけており,基本的にはガン類の渡来地の保護のためにガン類の渡来地となっている湿地のネットワーク全体を法的に厳重に保護することが重要である.
しかし,当面の課題としては,渡来地に銃猟禁止区域を設定するだけでもそれなりに効果を期待できる地域もある.特に前述したように,まったく法的に銃猟が規制されていない地域や,周辺に鳥獣保護区等があってもガン類が利用している地域で狩猟の規制がなされていない地域に関しては,早急になんらかの形で狩猟を規制することが望まれる.
わが国はラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に1980年に加盟した.ラムサール条約は,水鳥そのものの保護を目的とする条約と言うよりは,湿地に深いかかわりを持つ水鳥によって,人間にとってもさまざまな価値を持つ重要な湿地を探り,湿地の保護と賢明な利用を行なうという趣旨を持つ条約である.
1993年にわが国は釧路にその締約国会議を招き,同時に登録湿地を新たに5ヶ所指定した.その中にはガン類渡来地として重要な片野の鴨池と琵琶湖の2ヶ所が含まれている.この点は,ガン類の渡来地となっている湿地のネットワークの保護という観点からはかなり有益な前進であると評価できる.しかし,表2からわかるように,風蓮湖や福島潟など,ガン類の中継地や越冬地としてかなり重要な意義を持っている渡来地であってもまだ登録湿地になっていない場所もあり,少なくともこのような場所を登録湿地とすることが当面の課題となる.
ラムサール条約の精神を進めるための中心的作業のひとつは,重要な湿地に関するさまざまなタイプの目録を作成することである.今回行なったガン類の渡来地となっている湿地に関する目録作成作業は,国際的に大規模に行なわれている,ラムサール条約の目録作成作業に刺激される点が多かった.
今回の目録作成で明らかになったような,各渡来地のかかえているさまざまなタイプの問題は,多くのラムサール条約登録湿地がかかえている問題(Dugan & Jones 1993)でもある.1993年の釧路の第5回締約国会議でも,湿地がかかえている社会経済的諸問題による湿地の生態学的特性の変化を適切に把握し,さまざまな立場の人々や機関が協力しあい,国際的な協力関係のもとで,湿地問題の解決への歩みを進めるための具体的な提案を含んだ決議文や勧告文が採択されている(Ramsar Convention Bureau 1993).
今後,日本の登録湿地を中心に行なわれるであろう,ラムサール条約の精神を実行するための着実な作業には,ガン類の渡来地を保護する観点からも積極的にかかわることが有益であると考える.
渡り鳥であるガン類を保護するためには,ガン類個体群が利用する,繁殖地,集団換羽地,中継地,越冬地となっている湿地を明らかにし,それらの湿地の現状を総合的に把握し,保護することが必要である.この観点から,雁を保護する会では,ロシア科学アカデミー等の研究者と協力して首環や足環標識を用いてガン類の移動経路を追跡する調査を進め,日本に渡来するガン類の繁殖地等を明らかにしてきた.その成果をふまえ雁を保護する会が日本国内における渡来地の保護を進めようと努力しているのと同様に,ロシア国内では協力関係にある研究者たちが共同調査の成果を持って政府機関に働きかけ,日本に渡ってゆくガン類の繁殖地や集団換羽地に保護区を設定するといった成果を上げている(e.g. Gerasimov 1990, A.V. Andreev 私信).
雁を保護する会では,ガン類の生活環のすべてにかかわる生息地の保護を進めるために,極東における渡来地目録を作成する計画を持っている.すでに,ロシアや韓国などの研究者と予備的な連絡を開始している.ただし,広大な極東のガン類の生息地の現況を把握するためには,この地域の湿地に関心を持つ湿地の専門家を含む,さまざまな分野の協力者が必要である.
かつては多数渡来していたことが知られるシジュウカラガン(呉地 1994)やハクガン(佐場野他 1994)について,雁を保護する会ではこれらの稀少なガン類の個体群を北東アジアに復活させようとするプロジェクトをロシア,米国の研究者と協力して進めている.これらのプロジェクトの目標を実現するためには,まず現在あるガン類が生息する湿地等を保全し,かつその湿地がガン類の生息を支えることができる潜在的な力(環境収容力)が高まるように環境改善することが第1条件である.
また,同時にガン類の渡来地を広げてゆくよう努力しなければならない.この観点からは,前述したように,この版では扱わなかった,少数のガン類が渡来する地域や,現在は渡来地ではなくなっているが,比較的最近まで多数のガン類の渡来地となっていた場所についての基本的な情報を集約する作業も重要である.
動植物の貴重な生息地の破壊が次々と続いている日本では,個々の生息地の破壊を防ぐための活動も欠かせないが,雁を保護する会が作成したような,各地の状況がわかり,かつ全国的な状況も把握できるような情報集を作成することも急務である.これは,あまり注目されていない地域にかえって潜在的に重要な問題が存在する場合も多いからである.また,全国的な状況を把握できることによってはじめて個々の生息地の保護に効果的に取り組むこともできるからでもある.ただし,個々の生息地の保護の活動が多い割にはこのような全体的な状況を明らかにしようとする取り組みはまだ少ないようで,この目録や概括表が他の分野の生息地の保護を進める運動に参考になればと願っている.また同じような試みがあれば,目録や概括表にあたるような情報集を活用してどのように効果的に保護につなげていけるかについて,その経験の交流を行ないたいと考えている.
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このガン類渡来地目録は,全国の渡来地でガン類を観察している雁を保護する会会員,あるいは協力いただいている研究者・観察者の永年の調査研究の成果の上に作成することができたものである.また,環境庁自然保護局野生生物課の小林光氏からは鳥獣保護区の設定状況について情報を得た.
1989年にアンケート調査を開始して以来,第8回ガンのシンポジウムやアジア湿地シンポジウム,日本鳥学会大会,第5回ラムサール条約締約国会議などの場で,内外の研究者や保護に携わる方々から,目録についてさまざまな意見を得た.樋口広芳氏(日本野鳥の会研究センター)には原稿について助言いただいた.また,加藤陸奥雄(宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団),安藤元一(国際湖沼環境委員会),藤巻裕蔵(帯広畜産大学)の各氏には,目録と概括表が完成した段階で見ていただき,目録を今後どのように活用していけばよいかについて,別稿(p.29-34)に示すようなコメントをいただいた.原稿の入力は渡部健氏(京都大学)の協力を得た.出版に際しては,1993年全労済助成事業の助成を得た:助成番号93-5084「ガン類渡来地目録」の出版並びにそれを用いたガン類渡来地の保護活動.
以上の方々に厚くお礼申し上げる.
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日本では古来からガンに親しんできたが,そのガンがどこから日本へ渡ってくるのかについては,ただ北の国からとしか答えることができなかった.雁を保護する会では,1984年からロシア科学および米国のガン類研究者,日本国内の多数の観察者らの協力を得て,色首環や色足環を用いた標識調査を開始し,謎につつまれていた北東アジアにおけるガン類の渡りルートが急速に明らかになりつつある.
その結果,マガンについてはロシア極東北部アナディル低地に生息する個体群の一部がわが国に渡来し,またカムチャツカ半島のヒシクイの2つの個体群(中西部ズベズドカン湖に生息する亜種オオヒシクイ middendorfi と南部マコベツコエ湖に生息する亜種ヒシクイ serrirostris)が多数日本に渡来しているという大きな発見があった(図2).
また,これら2種の日本国内における移動の経路(図1)も明らかになり,日本国内の中継地や越冬地が,国境を越えたガン類の渡りのなかで,それぞれどのような重要性を持っているのかが明らかになりつつある.
雁を保護する会では,このような標識調査を財政的にささえ,またガン類のダイナミックな渡りに関心を持ってもらえるように,ガンの里親制度を実施している.具体的には,寄金で作成された首環によって標識された里子が日本国内のどこに渡来したかを,里親である人々に知ってもらえるシステムである.この渡来地目録によって,自分たちのガンの里子がやってきた渡来地の詳細を里親の方々にも知っていただき,ガン類の渡来地の保護へ向けての関心が広がることを期待している.
図1.首環標識ガンの追跡調査から明らかになった日本国内におけるヒシクイ2亜種の渡りのルート. Fig. 1 Flyways of Anser fabalis in Japan according to the results of neck-collar surveys. (Kurechi et al. in press). |
マガン Anser albifrons | ヒシクイ Anser fabalis |
コクガン Branta bernicla |
図2.標識調査の結果明らかになった北東アジアにおけるガン類の渡りの経路. Fig.2 North East Asian Goose Flyways as Identified by Banding Surveys. (A.V. Andreev unpubl. data, Gerasimov in press, JAWGP unpubl. data, Kurechi et al. in press, Miyabayashi 1993b, Ward et al. 1993 and unpubl. data). 破線は推定コース. Broken lines indicate presumed flyways. |
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付録.渡来地記載シートの例:1ページ目[花山湖(原典226頁所載)].
所在地 | 宮城県 花山村 および 一迫町 | 緯度 | 38°47'N | ||||||
利用形態 | 越冬地 | 経度 | 140°52'E | ||||||
環境区分(%) | 湖沼 | 湿原 | 河川 | 干潟 | 海岸 | 海上 | 水田 | 牧草地 | 湖面面積 240ha |
100 | 利用環境の割合 | ||||||||
主な種(亜種) | 出現時期 | 最大個体数 | 備考 | ||||||
オオヒシクイ middendorfi | 10月 - 12月, 2月 | 450 | 1989/90年度, 以後減少傾向 | ||||||
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出現期の気象条件 気温(℃): 最高[ ] 最低[ ] 平均[ ] | |||||||||
渡来地の利用状況
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ガン類保護に関する問題点とその現状
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付録.渡来地記載シートの例:2ページ目[花山湖(原典227頁所載)].
調査用紙記入者名 | 宮林 泰彦 | 記入年月 | 1994年 4月 |
本渡来地に関する連絡先 氏名[雁を保護する会] 住所[〒989-55 宮城県栗原郡若柳町字川南南町16] TEL[0228-32-2004] | |||
本渡来地に関する文献, 資料名 特になし | |||
本渡来地に行く交通手段
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地図 国土地理院 1/5万 岩ヶ崎 |
2004年9月1日掲載,雁を保護する会