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参加地での活動

モンゴル国ウギノール及びテルヒンサガンノールラムサール登録湿地ついて

新庄 久志,釧路国際ウェットランドセンター主幹,釧路市環境政策課長補佐
澁谷 辰生,釧路国際ウェットランドセンター技術委員,厚岸町水鳥観察館専門員

原典(英文): Anet Newsletter No.3 (2002年11月)4ページ所載

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ウギィ湖
テリン・ツァガン湖 ]

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写真 (8KB)
ウギィ湖,澁谷 辰生.

写真 (9KB)
ウギィ湖のオオハクチョウ,澁谷 辰生.

写真 (8KB)
テリン・ツァガン湖のインドガン,澁谷 辰生.

写真 (16KB)
テリン・ツァガン湖のアカツクシガモ,澁谷 辰生.

 2002年7月22日から8月19日にかけて、JICA短期専門家派遣事業でモンゴル国のラムサール登録湿地ウギノール、テルヒンサガンノールに行く機会がありましたので、簡単にですが紹介させていただきます。
 ウギノール・ラムサール登録湿地は、首都ウランバートルから約370kmの人口3,500人、面積161,780ha、牧畜が主要産業のウギノール村(アルハンガイ県)にあります。
 そのウギ湖(ウギノール)は、周囲25.4km 面積3,189ha(ちょうど厚岸湖と同じくらい)の湖で、湖の西部及び南西にかけて大湿地群が広がっております。今回私たちが見ることができたのは、湖面とこれら湿地の一部分ですが、サカツラガン1,700羽以上、インドガン300羽以上、オオハクチョウ300羽以上を確認しました。
 いずれも幼鳥を確認し、世界的にも重要なガンカモ類の繁殖地であることが確認されました。
 この他にも、ツル類(主にアネハヅル)、カモ類(アカツクシガモ、ツクシガモなど)、シギ・チドリ類、アジサシ・カモメ類、サギ類、猛禽類などを多数確認しました。

 元々このウギノール地区の住民は、チンギスハンの時代より伝統的にこの閉鎖系の湖の水を大切に使っています。しかし現在、様々な原因で湖沼環境が悪化する中、このすばらしい自然環境を自ら守り、地域住民による伝統的な活動を内外に示すべく、エコツーリズムの導入と運営を推進することになりました。
 先だって2002年1月に、このウギノール村から村長を含む2名及びモンゴル自然環境省職員が、エコツアーのコースでJICA研修員として派遣されており、釧路国際ウェットランドセンターで受け入れております。[参照:釧路国際ウェットランドセンター,2002年度の活動のページ]
 彼らの帰国後、ウギノール村ではバードウォッチング協議会が設立され、この協議会を中心としてエコツーリズム協議会を設立すべく、今回の派遣で提言を行った、という訳であります。

 またテルヒンサガンノール・ラムサール登録湿地ですが、首都ウランバートルから約500kmのタリアット村(アルハンガイ県)にあり、標高約2,000m、周囲約80kmの割と大きな湖です。ここでは、インドガン900羽以上を確認し繁殖も確認しました。その他オオハクチョウを始めカモ類も多数確認し、また湖内西部に位置する小島が、カワウ・アジサシ・カモメ類の一大集団繋殖地になっているのを確認しました。

 残念ながら、テルヒンサガンノールではあまり滞在時間がありませんでしたので、情報はそれほど多くはないのですが、今後も同じラムサール条約登録湿地として、ガンカモ類ネットワークとしても活動しなければならないことが多々あるでしょうし、特にウギノールにおいては、引き続きJICA事業としてサポートしなければならないこともたくさんありますので、皆様のご協力を頂ければと思います。


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「東アジア地域ガンカモ類保全行動計画」は「アジア・太平洋地域渡り性水鳥保全戦略」に基づく取組みのひとつです.「東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワーク」は「行動計画」のもとにガンカモ類にとって国際的に重要な生息地の保全を効果的に進めるための国際協力プログラムです.これらの取組みは国際湿地保全連合が調整しており,ガンカモ類に関する活動を監督し補佐するための作業部会「ガンカモ類ワーキンググループ」がアジア太平洋地域渡り性水鳥保全委員会に設置されています.東アジア全域の活動の推進のためにフライウェイオフィサーがおかれ,また日本国内での活動を推進するために国内コーディネーターがおかれています.

日本国内での活動等についてのご質問・お問い合わせはガンカモ類 国内コーディネータまでお願いします.連絡先のページへ.

東アジア地域全体にかかわるご質問・お問い合わせはフライウェイオフィサーまでお願いします.連絡先のページへ.

2002年12月15日掲載, 2004年5月30日更新.