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参加地での活動

宮島沼保全活用計画の策定

林 信孝,美唄市 企画財政部 企画課長

原典(英文): Anet Newsletter No.3 (2002年11月)5ページ所載

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写真 (24KB) 宮島沼は,日本の北海道中央部,石狩川の中流域にある30haの淡水湖です(43°20'N,141°43'E). 春と秋には毎年,50,000羽にのぼるマガンが渡りの途中に滞在します.この数はその東アジア個体群の 33-50%で,国内最大です.ハクチョウ類やカモ類も多数渡来し,コハクチョウが 8,600羽(同 20%)とオナガガモ 7,190羽(同 1%)を含みます.即ち沼は 70,000羽のガンカモ類を支えています.

沼のまわりは主に水田地帯で,沼に滞在するマガンが食物をとります.落ち籾や雑草の葉が主食ですが,春の限られた期間に小麦畑の幼苗の葉を食べることがあります.このために,地元の農家の方との摩擦が長年にわたってありました.地元行政の美唄市では,このような国際的に重要な湿地と水鳥の保全と地元のみなさんの暮らしとを調和するための努力を積み重ねてきました.NGOや研究者などのみなさんにもその取組みに協力いただきました.

参照

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宮島沼フォーラム 2000/03/20

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宮島沼保全活用計画(本編資料編),美唄市 2002年3月,美唄市HP所載PDFファイル,本編 6.2MB・資料編 1.8MB.

1999年に発足したガンカモ類重要生息地ネットワークに参加したのち,2000年3月には宮島沼フォーラムを開催し,関係者が人と自然の共存に向けた議論を交わす機会となりました.地元農家・研究者・市職員がいっしょに,国内あるいはオランダや英国などの海外の湿地における取組みを学ぶための研修旅行も実施しました.2001年度には,農家やツーリズムグループ,教育者などの地元関係者が集まる連続ワークショップを開きました.NGOや研究機関等の支援のもとに,述べ5回の議論を通じて,宮島沼の保全とワイズユースに向けたコンセプトを築きました.このワークショップからのコンセプトや提案を盛り込んで,美唄市宮島沼保全活用計画を2002年3月に策定しました.表紙 (5KB)

この計画は2002年度から2011年度までの10年間のもので,その進捗状況をモニタリングし,期間内でも必要に応じてその見直しを行います.計画書では,自然・農業・観光・人と教育の4分野のそれぞれについて経緯と現状を分析し,目標を定めました.その12の目標を,11の課題と18の具体策にまとめました.

2002年10月中旬に官報にてラムサール登録が告示され、10月下旬に開催した第2回宮島沼フォーラムにおいては,地元のみなさんにラムサール登録が報告されるとともに,他のラムサール湿地や重要生息地ネットワーク参加地での経験を学ぶ場となりました.フォーラムは,「宮島沼宣言」を採択し,これからの取組みを誓いました。


写真 (10KB)写真 (12KB)
写真 (9KB)
第2回宮島沼フォーラムより,2002年10月19日,© 美唄市.



写真 (10KB) [編注]
2002年11月にスペインのバレンシアで開催されたラムサール条約第8回締約国会議において,条約事務局長より美唄市長に登録証書が授与されました.(参照:美唄市HPラムサール条約 第8回締約国会議からのニュース).

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「東アジア地域ガンカモ類保全行動計画」は「アジア・太平洋地域渡り性水鳥保全戦略」に基づく取組みのひとつです.「東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワーク」は「行動計画」のもとにガンカモ類にとって国際的に重要な生息地の保全を効果的に進めるための国際協力プログラムです.これらの取組みは国際湿地保全連合が調整しており,ガンカモ類に関する活動を監督し補佐するための作業部会「ガンカモ類ワーキンググループ」がアジア太平洋地域渡り性水鳥保全委員会に設置されています.東アジア全域の活動の推進のためにフライウェイオフィサーがおかれ,また日本国内での活動を推進するために国内コーディネーターがおかれています.

日本国内での活動等についてのご質問・お問い合わせはガンカモ類 国内コーディネータまでお願いします.連絡先のページへ.

東アジア地域全体にかかわるご質問・お問い合わせはフライウェイオフィサーまでお願いします.連絡先のページへ.

2002年12月12日掲載.